エッセンシャル思考 弐ノ型 捨てる技術

書評-ビジネス書-
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はじめに

どうも!ホットミルクです!
前回「エッセンシャル思考 壱ノ型 見極める技術」では、重要な物事の見極め方について解説しました。次に見極めたものを「捨てる」必要があります。不要なものを捨て、重要な物事だけを残せるようになれば、「より少なく、しかしより良く」の実現にぐっと近づくことができます。
しかし、いらないとわかっていてもなかなか捨てる行動に移せないものです。そこで、今回は捨てるための技術を紹介します。

内容

捨てる技術には5つの技術があります。「目標」「拒否」「キャンセル」「編集」「線引き」という5つの技術を紹介します。

目標-最終形を明確にする-

まずは自身の意図にそぐわないものを捨てていく必要があります。そのためには、自身がどんな目標を持っているかを明確に定義しなければなりません。そして、その目標は本質目標である必要があります。本質目標とは具体的でかつ魅力的、そして測定可能でなければなりません。本質目標を決めることで、自身が何をするべきかが明らかになります。例えば、医者になりたいのであれば、法学ではなく医学を学べばよいとわかるといったようなイメージです。
例えば、ダイエットをすることを例にとってみると本質目標は「自身の健康のため、半年後までにBMI値を22まで減らす」といったような感じでしょうか。魅力的かはさておき、具体的かつ測定可能な目標にできました。この目標を立てれば、ファストフード生活を捨てるべきだということは一目瞭然ですね!!

拒否-断固として上手に断る-

きっぱりと上手に断ることはエッセンシャル思考において重要なことです。他人の顔色を窺い、疑問に思いながらも「イエス」と言っていませんでしょうか。しかし、それでは本当に重要なことに力を注ぐことはできません。やるべきでないことはきっぱりと断るべきなのです。
そんなこと言っても、断るというのは勇気がいる行動ですよね。そこで、上手な断り方を紹介します。

  1. 判断を関係性から引き離す
    頼みを断ることはすなわち相手を拒絶することであると考えてはいけない。判断は関係性から独立させることでより明確にすることができる。
  2. 直接的でない表現をつかう
    はっきりと「ノー」ということに抵抗感を覚えると思います。そんな時は婉曲的に伝えればよいのです。例えば、「あいにく予定がいっぱいでして。」のような感じです。あえて沈黙を作ってみたり、代替案を出してみてもよいです。
  3. トレードオフに目を向ける
    イエスと言った場合に自分は何を犠牲にするのかを考えるようにしてみて下さい。犠牲にするのは家族との時間か、または別のプロジェクトか、何なのかは人によって異なりますが、簡単に「イエス」ということができなくなります。

キャンセル-過去の損失を切り捨てる-

あなたは時間やお金をかけて進めてきたことをすぐにやめられるでしょうか。多くの人はなかなかやめられず、だらだらと続けてしまっていると思います。これはサンクコストバイアスという心理傾向があるためです。サンクコストバイアスとは、すでにお金や時間を投資したという理由だけで、損な取引に手を出し続ける心理傾向のことです。例えば、ゲームセンターのUFOキャッチャーはサンクコストバイアスを巧みに利用しています。私も景品を取れるまで続けてしまい、気が付いたら5000円も使っていたなんて経験があります。一度始めてしまったが最後で、続けても損であることは確定しているにも関わらず、取れるまでムキになって続けてしまいます。サンクコストバイアスを知ってからは、ゲームセンターの景品が欲しいときはフリマアプリで買うようにしています。確実に手に入れることができますし、サンクコストバイアスに陥り、大金をはたいてしまうこともありませんので!
ここで重要なのは、サンクコストバイアスがあるということを知り、どう回避するのかを決めておくことです。

編集-余剰を削り、本質を取り出す-

皆さんはマイケル・カーンという人物をご存じでしょうか。マイケル・カーンとはスティーブン・スピルバーグ監督の右腕と称される映像編集者です。映像編集者は、膨大な映像資料の中から、不要なものや余分なものを削り取り、作品の本質を残す仕事です。映像編集者の本質を見極め、不要な部分を削除する仕事はエッセンシャル思考そのものです。人生の編集者になることで、自分の仕事や生き方を完璧に編集することも夢ではありません。
では、人生の編集者になるためにはどうしたらよいのでしょうか。本書では、4つの原則を示しています。

  1. 削除する
    何かを決める際に混乱のもととなりそうなものは選択肢から削除したほうが良い。選択肢はできるだけ少なくすべき。
  2. 凝縮する
    結果に対する行動の比率を少なくする。無意味な行動をやめて、重要な行動に注力する。
  3. 修正する
    本質目標に向かっているのかを時々振り返り、修正する。
  4. 抑制する
    編集はほどほどにすること。本当に編集が必要な時にだけ手を出す。

線引き-境界を決めると自由になれる-

「ノー」という基準を設けていますでしょうか。基準があいまいになっていると自分の領域を守ることはできません。他人に境界線を引かれてしまうこともあります。自分にとって大切な領域を見定め、境界線を自ら引くことで自分の領域を守ることができるのです。自分の境界を守るためのいくつかのポイントを紹介します。

  1. 他人の問題を横取りしない
    他人の問題を自分の問題と勘違いしてはいけない。他人の問題を横取りしてしまうと、当事者が問題だと認識できなくなり、ますます自身が追い詰められていく。他人の問題は他人のものであり、当事者に解決させるべきである。
  2. 自分の境界線がどこかを知る
    他人に侵害された出来事やイラっとする出来事が自身の境界線を推し量るためのヒントとなる。そういった出来事をリストアップして、境界線をはっきりさせていくと良い。
  3. 難しい相手とは契約を結ぶ
    相容れない考え方の人と仕事をすることはよくある。そんな時はお互いのやり方を明確にすると良い。何を優先し、何を妥協できるのかを明確にしておくことで、無駄な衝突を避け、自身の境界を侵害されることもなくなる。

まとめ

いかがだったでしょうか。エッセンシャル思考 捨てる技術を紹介してみました。捨てる技術を身に着けることでエッセンシャル思考の「より少なく、しかしより良く」に近づけるはずです。特に捨てる技術には行動が伴わなければならないので、苦しい思いを幾度となく経験することになると思います。しかし、その経験こそが私たちの資産となり、より良い人生へと導いてくれるのではないかと思いました。
特に私の場合は「拒否」「線引き」が全くと言っていいほどできていません。相手のためだと思って、お願いされたことは全て引き受けてきましたし、誰かが悩んでいればまるで自分の出来事化のように一緒に答えが出るまで悩んでいました。絵にかいたような「イイヤツ」のように見えますが、きっとそれは他人の目を気にして誰とでも良好な関係を築きたいという思いからきているのだと思います。しかし、その思いを実現するために今、私は大きな代償を支払っています。自身のプライベートの時間は減っていますし、問題を抱えすぎてしまっているため、いつもそわそわと落ち着きません。本当に自分自身がやるべきことに注力できるよう、不要な物事は捨てていきたいと思います。「ノー」と言うための境界作りから始めていこうと思います。

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コメント

  1. […] どうも!ホットミルクです。前回は「エッセンシャル思考 捨てる技術」を紹介しました。今回は次のステップである「仕組み化の技術」を紹介します。皆さんは、何かをやりきるためには努力と根性が重要だと思っていませんでしょうか。努力と根性でなんとかするには膨大なエネルギーを消費し、疲れ果ててしまいます。エッセンシャル思考の仕組み化の技術を用いることで、努力や根性を必要とせず、小さなエネルギーで物事をやり遂げられるようになります。いつも「やるか〜」と声を上げながら重い腰を上げていた行動が日常のなにげない行動の一部となり、少ない力で最大限の成果を得られるようになるのです。 […]

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