はじめに
どうもホットミルクです。
日本で生活していれば「情けは人の為ならず」という言葉をよく耳にします。本書の重要な部分はまさに「情けは人の為ならず」ということです。
情けは人の為ならず
他人にかける情けは、その人のためになるだけではなく、めぐりめぐって、やがて自分のためにもなる。
コトバンク
個人的に日本人はギブの精神が強い国だと思います。「お・も・て・な・し」が文化として定着している素晴らしい国ですからね。そんなギブの精神が根付いている日本に暮らしている人にこの一冊はとてもおすすめです。本書からギブの本当の価値を学び、成功する道しるべとなることは間違いないでしょう。
こんな方にオススメ
- 人のために何かをすることが好きな方
- 人のために頑張っているのに報われない方
- ギバーとして成功したい方
人間をギブとテイクの観点で分類すると?
人間が生活する社会はギブ&テイクで成り立っています。ギブを優先する考え方の人をギバー、テイクを優先する考え方の人をテイカー、両者のバランスを取ろうとする考え方の方をマッチャーと呼びます。明確な線引きは難しいのですが、マザーテレサのようでないとギバーとは言わないなんて厳しい基準ではないので、あまり相手から見返りを求めない方はギバーというような考え方で問題ないのではないかと思います。また、普段のギバーの方がビジネスになるとマッチャーとして振舞うことが多くなるそうです。
ざっとまとめると、それぞれの考え方は以下のようになります。
- ギバー:受け取る以上に与えようとする。
- テイカー:与えるよりも多くを受け取ろうとする。
- マッチャー:与えることと受け取ることのバランスをとる。
成功するのは?
最も成功しているのはギバー、テイカー、マッチャーのいずれでしょうか。
一見、自分の利益を優先するテイカーが最も成功するように感じるかもしれませんが、実は最も成功しているのはギバーなのです。
それでは、最も失敗しているのはギバー、テイカー、マッチャーのいずれでしょうか。
最も失敗するのもギバーなのです。
なんと、最も成功するのもギバー、最も失敗するのもギバーなんですね。
ギバーは最も成功する可能性も秘めているけれど、うまくギブの考え方と付き合わないとひたすら搾取されるだけになってしまうのです。
では、成功するギバーと失敗するギバーの違いとは何でしょうか。
成功するギバーと失敗するギバーの違いとは?
成功するギバーと失敗するギバーの違いは利益追求の考え方にあります。
成功するギバーは他社の利益はもちろんのこと自身の利益のことにも関心があります。自他共に利益があるように行動する、つまりWIN-WINとなるような行動をとるということです。
一方で、失敗するギバーは他社の利益にのみ関心があります。こちらはWIN-LOSEの関係になりやすいのは火を見るよりも明らかですね。一方的に搾取され疲弊してしまうのです。
成功するギバーがもつ4つの特徴
成功するギバーになるためにはどうすれば良いのでしょうか。
成功するギバーに共通する4つの要素について見てみたいと思います。
・「ゆるいつながり」という人脈づくり
まず、テイカーとマッチャーは見返りありきのギブをします。ということは見返りがなさそうな人にはギブをしないということなのです。これは自ら人脈を制限しているということです。
一方で成功するギバーはどんな人にでもギブをします。そうすることで、ゆるいつながりが多数できていき、人脈のネットワークが大きくなっていきます。このゆるいつながりが重要で、異なる分野の人とのつながりができたり、様々な分野にまたがる新しい発見に導いてくれたりします。
また、ギバーは困っているときに助けてもらいやすいです。マッチャーは与えられたら同じだけ返したいと考えるため、過去にギブをしたマッチャーが困っているギバーを助けてくれるのです。
・利益の「パイ」を大きく増やす働き方
テイカーが独り勝ちを目指すのに対し、ギバーはみんなで勝つことを目指します。
成功するギバーは成功が一人だけで成り立つものでないことを知っています。仲間に頼ったり頼られたりすることで様々な人を巻き込んで全体の利益を増やしていくのです。
・可能性を掘り出し、精鋭たちを育てる
「自己成就予言」という言葉をご存知でしょうか。
自己成就予言
根拠のない噂や思い込みであっても、人々がその状況が起こりそうだと考えて行動することで、事実ではなかったはずの状況が本当に実現してしまうこと。
「日本の人事部」より引用
成功するギバーは全ての人に可能性を見出そうとします。そうするとどうなるでしょうか。
他人から期待された人は自ら期待通りになろうとやる気を出して頑張るようになるのです。
よく、目をかけられた生徒の成績が他の生徒に比べて伸びるという話はよく聞きますが、それと同じことですね。
また、精鋭を育ているにあたって注意すべきなのは、ギバーを見つけ育てることです。
ギバーは自己の利益を優先せず組織に対して利益をもたらしてくれます。そうすることで、全体を成功に導いてくれるのです。
・「強いリーダーシップ」より「影響力」
成功するギバーはゆるいコミュニケーションを大事にします。常に控えめな発言で周囲の信望を集められるのです。テイカーは強気のコミュニケーションで一見リーダーシップにあふれているように見えますが、自身の利益を優先するため、チームのコミュニケーションを阻害してしまうのです。信望を集め、成果をチーム全体のものと考えるギバーのほうがチームメンバーをやる気にさせ、結果として成果に結びつきやすくなるのです。
まとめ
本書は失敗するギバーの方に最も読んでもらいたい一冊だと感じました。私の周りを見回してもギバーと思う人はたくさんいます。成功するギバーと失敗するギバーの考え方の違いを理解し、成功するギバーのようにふるまうことができれば、成功への道はグッと近づけることができます。
私自身もどちらかというとギバーよりの人間なのではないかと思います。かつては「仏」と呼ばれたこともあるくらい(笑)正直なところ、自分自身の現状は失敗するギバーだと思います。まずは、自己犠牲の考え方をやめて、WIN-WINとなるような考え方に修正してきたいと思います。
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